ホーム>天然酵母パンの作り方(☆田舎パン編☆)

パン作りの三条件

 パン作りには、計量、温度、時間という三つの条件が常に存在します。  これをきちっと守れば必ずパンはふくらみ、焼き上がります。  特に温度には敏感になって下さい。今日一日の気温は?明日の気温は?  パン生地の発酵は温度によって左右されます。暑ければ暑いなりに、  寒ければ寒いなりに環境を整えてあげることが必要になってきます。  やるだけやったら後は酵母におまかせ!「なるようになる」と気持ちを楽にして・・・・



STEP1/材料を用意する


田舎パンの材料 配分
強力粉 100% 300g
天然酵母生種 6% 18g
砂糖 6% 18g
1.5% 4.5g
56% 168g
※国内産小麦粉を使う場合は、水は48%〜に

○各材料はあらかじめ計量しておきます。
○強力粉はふるわなくても大丈夫です。
○%表記はベーカーズ・パーセントといい、粉に対しての割合を示しています。
○これがあると自分がつくりたい量の計算がすぐできて便利です。



STEP2/生地を作る

○強力粉、砂糖、塩をボウルに入れます。
○水と生種を加えながら素早くかき混ぜます。

【ワンポイント】
水は一度に全部入れず、加減を見ながら。
生種のビンをすすぐようにして、何回かに分けて入れます。

○小麦粉が水分を吸収しはじめます。

○指と手のひらを使ってダマを潰すようにやさしく、
  素早く混ぜます。

○生地がだいたいまとまったら、台の上に取り出します。

STEP3/こねあげ

  「こねる」というと台に生地をたたきつけて力いっぱいこねると
  おもわれがちですが、そんなに力まなくても大丈夫。
  軽く押してまとめる感じでリズミカルに生地をころがします。
  人によってこね方が違うのでいちがいには何分とはいえませんが、
  大体15〜20分間。力を入れなくても疲れてくる時間帯です。
  こねるにつれて生地の中のグルテン組織は強くなっていきます。
  生地の表面が「おもち」のようにつるつると滑らかになったらこねあがりです。

○台の上に打ち粉をし、生地をよくこねます。

○手のひらで生地を伸ばし、
  ころがすように丸め、
  また生地を伸ばし・・・
  を繰り返します。

  ○生地が柔らかくなり、表面が滑らかになれば完了です。

○「こねあげ」の目安は生地を伸ばしたとき、指が透けて
  見えるくらい。 こねると生地の中のグルテン組織が強化され,
  伸展します。 そうすると酵母が発散する炭酸ガスを
  蓄えられるようになり、 結果として生地がふくらみます。

STEP4/一時発酵

 発酵にかかる時間がおいしさの決めて

  製パン用イーストに比べると天然酵母は発酵に時間がかかります。
  科学的な純粋培養と違って酵母菌の絶対数が少なく、酵母菌自身が
  発生させる炭酸ガスの量が少ないためです。でも、それが小麦粉や
  その他材料の香味や風味を引き出す利点にもなっています。
  一次発酵不足を成形発酵(二次発酵)補うことは出来ないので、
  発酵不足の場合はとにかく待ってください。待つしか方法は無いのですから。

○こねあげた生地を丸め、ボウルに入れます
  生地を下に巻き込むようにして丸め、
  巻き込んだ部分は指でつまんで しっかりとじます。
  とじ目を下にしてボウルに入れ、表面が乾燥しないように
  ラップをかぶせ、発砲スチロールの箱に入れます

○12時間ほどで一次発酵が完了します。
  目安は3倍から4倍の大きさに ふくらむまで
  (4倍までがベスト)
  発酵が始まり、酵母は炭酸ガスを発散し続けます。
  こねあげた時の生地の温度が大事です。一次発酵の時間を12時間とすると、
  最適なこねあげ温度は春・秋25℃、夏20℃、冬28℃が目安です。
  その温度を得るために、夏場では冷たい水を使ったり、小麦粉やその他材料、
  ボウルなどを冷やす工夫が必要です。逆に冬場はぬるま湯を使ったり、
  必要に応じて材料やボウルも温める工夫が必要です。
  手ごねの場合は、体温でどうしても室温以上に生地の
  温度が高くなり、過発酵になりやすいので注意して下さい。

  【ワンポイント】
  一次発酵には約12時間かかります。ですので一次発酵がいつ終了するか・・・
  から常に逆算してつくりはじめてください。
  聖庵ではオーバーナイト法という製造方法で対処しています。
  午後から翌日の生地を仕込み始め、翌早朝までの時間を一次発酵に当てます。
  つまり、寝ている間に発酵してもらおうということ。過発酵にならないようにこねあげ
  温度に注意して、専用の箱に入れています。

STEP5/分割・丸め

バリッと張った生地を目指す

  作りたいパンの大きさに分割します。手でちぎると生地が傷むので
  必ずスケッパーなどでスパッと切り分けます。
  分割した生地を丸めるのはグルテンに適度な刺激を与え、
  パンのボリュームを大きくしたり、また、成形するときに表面が滑らかになり、
  焼き上げのときの肌がきれいになるからです。生地の表面が滑らかできれいな
  張りを持つように丸めましょう。

○生地を250gに分割します。
  生地を傷めないようにスケッパーでさっと切り分けます。

○切り分けた生地を簡単に丸めます

STEP6/ベンチタイム

○生地のとじ目を下にしてオーブンシートをしいた
  天板の上におき、キャンバス地をかぶせ、
  30分ほど生地を休ませます。これをベンチタイムといいます。

○酵母は依然活動を続け炭酸ガスを発生して続けます。
  このためグルテン組織が引き伸ばされ、伸展性がよくなります。

○温度が高すぎると発酵過多になります。
  30℃くらいの室温で30分間が目安。

STEP7/成形

形が違うと味も違う

  ベンチタイムの間にゆるんだり、だれた生地を整えます。
  ここで焼き上がりの形と表情が決まります。
  実は見た目だけでなく、正規絵の違いで味も変わります。
  庵ではこの田舎パンと同じ生地で山形食パンもつくっていますが、
  味は違うのです。成形によってクラムの形状や詰まり具合などが
  変化し食感や口当たりが違ってきます。

○片手に生地をのせ、もう片方で側面の生地をひっぱり
  裏側でとじます。 とじ目を下にして台に置き、丸く形を整えます。
  ぶよぶよとたるんでいた生地が パリッと張った生地になるように。

○打ち粉はあまり使わずに手早く整えるのがポイント

STEP8/成形発酵

成形発酵には湿度も必要

  形を整えた状態でさらに発酵させます。最適な環境は温度30℃、
  湿度は70%〜80%で約1時間(菓子パンなどは2時間位)。
  梅雨時から夏場は室温でも大丈夫。
  ただ表面が乾燥しないよう、霧吹きをかけて下さい。
  冬場は適当な湿度と温度があるお風呂などを利用します。
  ただし40℃以上になると酵母が死んでしまい、
  20℃以下になると活動が急激に弱まります。
  家の中で最適な場所を探してみて下さい。

○天板に成形した生地をのせます。
  発酵するとふくらむので間隔をあけておきます。

○表面が乾燥しないよう霧を吹き、
  生地が2倍くらいにふくらむまで発酵させます。

STEP9/カット入れ


○生地がしっとりするまで霧を吹きます。
○カッターナイフなどで十分に切り目を入れます。

【ワンポイント】
カットの役目
  カットは、パン生地が膨張するとき、思いがけないところで割れて形が
  崩れたりしないよう、生地の表面にあらかじめ切り目を入れることをいいます。
  火の通りをよくする、ボリュームを持たせる、デザイン効果などの目的もあります。
  フランスパンの場合はクープと呼ばれます。

STEP10/焼き上げ


○あらかじめオーブンを200℃に温めておき、
  200℃で15分間焼きます。
  オーブンによって焼き上がりの時間は違うので、
  自分のオーブンの癖に合わせて調整して下さい。

○焼き上がったら金網などの上でゆっくり冷やし、
  粗熱をとります。台の上に直接おいておくとパンの底が
  水分を吸ってベトベトになってしまうので要注意

【ワンポイント】
窯伸びしない?
  窯伸びしない原因をいくつか列挙しますので参考にして下さい。
  1.焼く前の生地の発酵状態が悪い。
  2.こね方が悪い。つまりグルテンが形成されていない
  3.オーブンの温度が低い。原因がわかれば次回の失敗も少なくなります。

食べごろは室温になってから
  加熱すると、グルテンの膜に包まれた炭酸ガスの気泡が膨張し、
  それと同時にグルテンの膜も伸びてパン全体がふくらみます。
  これが窯伸びといいます。早速食べたいところですが、
  オーブンから取り出した時点ではまだ炭酸ガスとアルコールが残っています。
  ちょっと置いて室温になったぐらいの方が香り、味ともおいしく食べられます。